読Qについて

読Qの理念は、「読書するきっかけを作り続けること」です。
読Q(どっきゅう)は、「読書認定級」であり、「読書のQuiz」です。
読Qは、読書の検定によって読書推進をおこないます。

なぜ読書しなければならないのか

非営利型 一般社団法人読書認定協会 代表理事 神部ゆかり
非営利型 一般社団法人読書認定協会 代表理事 神部ゆかり

「なぜ読書しなければならないの?」
という質問を、子どもたちから受けることがあります。
読解力がつくからとか、人の気持ちがわかるようになるから等々、答えはいくらでも出てきそうですよね。
私が「なぜ読書しなければならないの?」と聞かれたときは、
「幸せな世の中にするためだよ。」
と答えます。
すると必ず怪訝な顔をされます。
そこで私はこう続けるのです。

「読書を続けると頭が良くなって、幸せになる方法を沢山思いつけるでしょ?
そういう人が多いと、世の中全体も幸せな世の中になるでしょ?
だから、どんどん読書しましょうって言う法律もあるんだよ。」

「読書を続けると頭が良くなって、幸せになる方法を沢山思いつける」 なんて、
かなりざっくりと纏めてしまいましたが、 詳しく言い換えると、こんなことです。

読書中、人は頭の中でずっと思考しています。
文字という記号を脳内で変換し想像しないと文を理解できないからです。
納得したり、
疑ったり、
仮説を立てたり、
自分と異なる考えを、共感せずとも受容したり、
自分ならどうするだろうと考えたりしています。
それを繰り返しながら、
多種多様な本の著者が書いた
長い長い文章と向き合い、考え続けることで、
思考することに慣れ、
思考力が鍛えられ、
何が一番良いのかという自分の考えが練られ、
自分の軸ができてきて、
世間の一時的な流行や空気を読んでまどわされたりすることから
解放され、自由になれます。
また、どうすれば自分自身や社会がもっと幸せになるのかを、
思いつきやすくなるのです。

鬱になる人や引きこもる人が増えている昨今ですが、
このような思考力は、もしかしたら
思い悩むことも、軽減できるのかもしれません。
最近、「多様性」や「well-being」という言葉をよく耳にしますが
読書を続けることは、
多様性を受容し、
well-beingを実現する一助になるのではないでしょうか。

読書の推進は、法律にもなっています。
国は「子どもの読書活動の推進に関する法律」を定めており、
地域や教育機関等では様々な読書推進の取り組みが続けられています。

私たち読書認定協会も、
インターネットを使った新しい読書推進のかたちである 「読Q」によって
一人一人の思考力を培う読書を
一人一人が継続できるように背中を押すことで
一人一人の多様性を受容するwell-beingな社会を
少しでも底上げできたら幸いです。

さてここで、「なぜ読書しなければならないの?」 にさらに納得のいく答えを添えるため、
私たちが感銘を受けた、読書をすすめる著名人のことばを紹介しておきたいと思います。

日野原重明さん 「今日すべきことを精一杯!」 ポプラ新書より

人との、また物ごととの出合いは、大切なものです。本を通して先人とも出会えます。(中略)そういうあらゆる体験を通して人間は発達成長します。そうすれば、あとは自分で自分を開発することができるのです。

藤原正彦さん 「国家と教養」 新潮新書より

読書を代表とする疑似体験は、実体験に比べれば概して深さも強烈さもはるかに小さく、人間の教養を豊かにする力としては微々たるもの、という声が聞こえてきそうです。(中略)でも、自ら求めさえすれば実体験の百倍に上る回数を体験することも可能です。そうすれば実体験だけの人に比べ十倍の教養を得ることができることになります。特に疑似体験の柱となる読書なら時間も金もさほどかかりませんから、いくらでも重ねることが可能です。

丹羽宇一郎さん 「死ぬほど読書」 幻冬舎新書より

幅広くいろいろな本を日頃から読み、仕事と真剣に向き合っている人は、自分の考えや信念を持っているから、安易に空気に流されるようなことはないはずです。読書は心を自由にしてくれます。読書によって自分の考えが練られ、軸ができれば、空気を中心に思考したり行動したりすることはなくなるはずです。世間の常識や空気に囚われない、真の自由を読書はもたらすのです。

齋藤孝さん 「読書力」 岩波新書より

(読書は)思考力を鍛え、人間をつくるものだ。(中略)私は自分の思考力の重要な部分を読書経験に負っていることをはっきりと感じている。したがって、読書をするきっかけを与えてくれた親や教師、周りの環境に感謝している。読書は放っておいても自然にするものだ、などということは大きな勘違いだ。

池上彰さん 「なぜ読解力が必要なのか」 講談社プラスα新書より

読書によって、世の中には自分とまったく違う考えの人間がいるのだということを理解し、広く受け入れる寛容の心が育ち、人間への洞察力がついていきます。立場の違う人を理解する共感力、すなわち情緒的読解力が身につくのです。(中略) 子ども向けの各種調査において、「読書が好きな子は読解力がある」「読書が好きな子は国語も数学も英語も成績がよい」という結果が出ていて、読書の重要性がわかっています。

茂木健一郎さん「読書が脳に与える良い影響」ベネッセ教育情報サイトより

脳にとって読書は、総合的かつ抽象的な刺激。視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚という五感の記憶が総合されて、それが言葉になるので、言葉をとおして世界を知る、整理するというのは、脳のいちばん高度な働き。

さらに、読書によって人は賢くなる可能性を示唆した大規模調査結果の記事を二つご紹介します

1.2018年10月18日(木) NEWSWEEK日本版 松丸さとみ

31カ国、16万人を対象に行われた調査で、16歳のときに本が家に何冊あったかが、大人になってからの読み書き能力、数学の基礎知識、I Tスキルの高さに比例することが明らかになった。
自宅に紙の本が何冊あったかが一生を左右!?

16歳の時に家に本が何冊あったかは、大人になってからの読み書き能力、数学の基礎知識、ITスキルの高さに比例することが、このほど行われた大規模な調査で明らかになった。研究者らは、「子どもの頃に自宅で紙の本に触れることで、一生ものの認知能力を高めることができる」としている。
調査を行ったのは、オーストラリア国立大学と米ネバダ大学の研究者たちだ。2011〜2015年に31の国と地域で、25〜65歳の16万人を対象に行われた「国際成人力調査」のデータを分析した。結果は学術誌ソーシャル・サイエンス・リサーチに発表されている。英ガーディアン紙が2018年10月10日付と12日付で報じた。
調査では、16歳の時に自宅に何冊本があったか、と参加者に質問。その後、読み書き能力、数字、情報通信技術(ICT)のテストを受けてもらった。
その結果、本がほぼない家庭で育った場合、読み書きや算数の能力が平均より低かった。自宅にあった本の数とテストの結果は比例し、テストが平均的な点数になるのは自宅に80冊ほどあった場合だった。ただし350冊以上になると、本の数とテスト結果に大きな関係性はみられなくなったという。<以下省略>

2.2021年9月5日(日) NHK NEWS WEB

家に本が多いほうがテストの正答率高い? 文科省調査

文部科学省が全国の小中学生を対象に「家庭の蔵書数」を初めて調査したところ、25冊以下が3割を占めた一方、蔵書数が多いほうがテストの正答率が高くなる傾向が明らかになりました。
文部科学省はことし5月、全国の小学6年生と中学3年生の200万人以上を対象に「全国学力テスト」を実施し、家庭の経済的、文化的な資本をはかる指標の1つとして、国際的な調査でも用いられる「家庭の蔵書数」を初めて調べました。

その結果、家にある本の数が、▽0~10冊と答えたのは小学生で11%、中学生で14%、 ▽11~25冊が小学生で19%、中学生で20%で25冊以下と答えた子どもが3割を占めました。▽26~100冊が小学生で34%、中学生で32%、 ▽101~500冊が小学生で32%、中学生で30%▽501冊以上が小中学生とも5%でした。

学力テストの正答率をみると、小学校の算数では、蔵書数が最も多い子と最も少ない子では18ポイントの差があり、中学校の国語でも15ポイント差が開くなど、蔵書数が多いほうが正答率が高くなる傾向が見られました。
教育社会学者の早稲田大学の松岡亮二准教授は「国の大規模な調査で家庭環境により学力に差がある事実が示された意味は大きく、困難を抱えている子どもの実態を踏まえ政策を議論してほしい」と話しています。


さて、これら二つの記事を読むと、家庭環境による蔵書数の差が、
学力差や能力差に相関していることが明らかにされていることがわかります。
けれども、家庭環境による蔵書数の差について対策するのは難しいことです。
それならば、やはり義務教育の中でできる範囲で対策を施したいところです。

もちろんこれまでも、小中学校では読書は推奨してきていますが、
それは蔵書の充実、朝読書や図書の時間の確保、読み聞かせ、
夏休みの読書感想文の宿題といった、児童生徒本人と家庭に呼びかけ、
任せて見守るといった形が多く、読書の成果が目に見える形で表出する機会や
読書歴を評価する機会は少なかったのではないかと思います。

そこで、読Qです。

読Qは、
読書の成果を試験で証明し
公的に公開して見える化することで
読書の継続を能動的に働きかける
全く新しい読書推進です。

GIGAスクール構想による一人一台の端末が実現した今、
読Qによって、一人一人がワクワクできる読書推進が可能になりました。
読Qは、個々の家庭の蔵書や家族の努力の量にかかわらず、
全ての児童生徒が読書に向かうきっかけを作り続けます。

読Qの詳細

読Qは、本を読み終わったことを認定する検定で、ストーリーに関する問題に答えます。
本の長さにより、8問~20問の○×テストが出題されます。
合格すると、その本の長さと難易度によって設定されたポイントを獲得します。
ポイントを積んで級を上げて行く検定です。

検定テストにゲーム要素があり、スリルがあるので、もっとやりたい気持ちになります。

  • 時間制限のある○×テスト
  • 回答速度による加点があり、最速だと記録保持者として掲載される。
  • 不正解数、正解数により、検定が突然終了するスリル

マイ書斎(マイページ)を楽しむことができます。

  • 自分の読書量をランキンググラフで確認し、全国の同年代と競争
  • 読書歴を検索できる。
  • マイ本棚で過去に読んで合格した本を振り返ることができる。

読書歴を学習履歴として誇れます

  • 文科省も強調する学習履歴・・・読んで合格した本のタイトルが可視化されるので、誇れる学習履歴となる。
  • 認定級により、読書量を証明・・・級が上がるにつれ、昇級に必要な合格ポイント数は増加
  • だれでもトップになれる可能性・・・短期と長期のランキング表示があるので、最近読書を始めたばかりでも読書量1位になれる可能性があり、モチベーションアップにつながる。

他人の読書歴を覗いて刺激をもらえます

  • 読書家の同年代や同級生が公開している読Q合格歴を覗いて、どんな本を読んだのか見ることができる。
  • ほかの人が考えた帯文を読んで、面白そうな本を見つけることができる。
  • 1人あたりの読書量を競うランキンググラフをいつでも確認できる。
  • 全員がグラフを見ることで、クラスや学校単位で「もっと本を読もう」という空気を作れる。

本のページを見て楽しめます

  • 読Qに登録されている本を検索して、出題数やポイント、何人が合格したのか等を確認できる。
  • 合格者が書いた帯文を読んで、面白そうか判断できる。
  • 最速合格記録保持者と最速秒数の情報は、記録塗り替えの意欲を湧かせる。

読んで合格した本には帯文を投稿できます

  • 一言感想文や推薦文として文章を作る練習になる。
  • 「いいね!」が最多の帯文は、本物の帯のように掲載される。
  • 自分の文が読Qサイトの検定本ページに載る嬉しさ
  • 自分の帯文に 「いいね!」をもらう誇らしさ

公平性があります

  • 本の長さと難易度によるポイント設定により、長い本1冊と短い本1冊が同じ1冊と換算されない工夫。
  • 回答速度でポイント多く(一発合格の場合のみの特典)・・・読み取り速度も読解力として評価。
  • 沢山のクイズストックからのランダム出題・・・問題文や出題順を覚えること、覗き見等による不正を防ぐ。

将来、読書認定級が受験や就活などに利用できる可能性があります

  • 学習履歴として受験や就活における加点や参考資料となることも。
  • 読Qの認定級取得が、読書を継続する強力なインセンティブ(動機づけ)になる。

以上のように、読Qは、取り組み甲斐のある検定であり、
読書するきっかけになり続けることができる、
能動的な読書推進です。

さあ、読Qで受検ができる本を選んで、読書してください。
本を読み終わったら、読Qの 「この本を受検する」をポチっと押して、
3,2,1で検定スタートです。
読んだ本についてテストされるのは、
知っていることばかり聞かれるので、楽しいものです。
さて、〇か?✖か? 1問の制限時間は30秒。
素早く答えて一発合格するとポイントが多くもらえます。
最速の時間で合格したら、記録保持者になれます。
本を読んで、読Qに合格して、
ポイントを積んで、
級をどんどん上げて、
幸せ度も、上げましょう!